【米国株式週間レビュー:2026年6月15日~6月18日】停戦合意で原油急落、それでも市場は次を見ている

投資

6月15日~18日(6月19日(金)はJuneteenthで休場です)の米国株市場は、米国・イラン間の暫定和平合意が大きなテーマとなりました。

両国は停戦に向けた覚書への署名を完了し、ホルムズ海峡再開への道筋も見え始めています。これを受けて原油価格は急落し、インフレ懸念は大きく後退しました。

ただ興味深かったのは、市場の反応です。

数週間前までであれば原油急落は大幅高材料でした。しかし今回は株価上昇は限定的でした。

市場参加者の関心は既に

FOMC
金融政策
景気の強さ
企業業績

へ移り始めています。

結果として、S&P500、NASDAQ、Russell2000は堅調に推移し、とりわけRussell2000は再び史上最高値を更新しました。

概要&マクロ

主要指標の動き


NASDAQとRussell2000が主導する展開でした。

特にRussell2000の上昇は重要です。

2025年から2026年前半にかけては「AI大型株だけが上がる相場」でしたが、足元では小型株にも資金が向かい始めています。

市場の裾野が広がっているという意味では非常に健全な動きです。

イラン情勢は一旦落ち着く方向へ

今週最大のニュースはやはり米国・イランの暫定和平合意でした。

市場が最も懸念していたホルムズ海峡封鎖リスクが後退したことで、原油価格は急落。投資家心理は大きく改善しました。

ただし、

最終合意ではない
60日間の交渉期間が残る
イスラエル要因が依然存在する

という点は忘れてはいけません。

市場はかなり楽観的になっていますが、完全解決と見るのは少し早いように感じます。

FOMCは現状維持

今週のFOMCでは政策金利据え置きが決定されました。

しかし市場が注目したのは据え置きそのものではありません。

ウォルシュ議長体制となって初めて、

「インフレリスクへの警戒」

がかなり明確に示されたことです。

市場では年内利下げ期待がほぼ消滅し、

むしろ

「次の一手は利上げ」

との見方が徐々に優勢になっています。

金利動向

今週は

短期金利上昇
長期金利横ばい

という展開でした。

これは市場が

「短期的なインフレ再燃リスク」

を意識しながらも、

長期的には大きな景気過熱までは見ていないことを示しています。

セクターの動き


グロース系>景気敏感系>ディフェンシブ系 が比較的明瞭に出ました。(原油価格の下落でエネルギーセクターは異なる動きでしたが)

半導体・AI関連

今週も最強セクターでした。

原油価格低下と金利安定を背景に、

NVIDIA
Micron
Marvell
Broadcom

などが買われました。

AIテーマへの期待は依然として衰えていません。

景気敏感株

今週のもう一つの主役です。

旅行・ホテル・レジャー関連が堅調でした。

特に

Hyatt
Marriott

などは引き続き高値圏を維持しています。

市場が

「景気はまだ強い」

と考えていることの表れでしょう。

金融

Russell2000上昇の恩恵を受け、

地方銀行や中小金融機関が堅調でした。

これは

「景気後退懸念の後退」

とも整合的です。

エネルギー

唯一の弱いセクター。

原油急落の影響をまともに受けました。

今後ホルムズ海峡が本格再開されれば、エネルギー株にはさらに逆風となる可能性があります。

個別銘柄の動き

(今回からSpaceXも注目銘柄に入れました。グリーンでハイライトした銘柄は、この週にAll Time Highと引け値ベースでの最高値を更新した銘柄です)

SpaceX

今週最も話題になった銘柄です。

IPO後の熱狂は続いていましたが、木曜日には失速。

高値から約24%下落しました。

それでも時価総額は依然として極めて高水準です。

個人的にはYoshiさんと同じで、

現時点の評価は

「夢」
「期待」
「物語」

によって支えられている部分が非常に大きいと考えています。

Tesla上場初期に近い状態と言えるかもしれません。イーロン・マスク・プレミアムですね。(幻想かもしれませんが)

Intel

Apple向けチップ生産報道を受けて急騰。

AI関連だけでなく、

米国内製造回帰というテーマも評価され始めています。

Micron

AIサーバー向けHBM需要拡大期待から再び資金流入。

メモリー市場の好調が続いています。

為替・原油・金

ドル円

日銀の追加利上げ実施にもかかわらず、ドル円は大きく円高には進まず。

FRBの引き締め姿勢が強く意識されています。

原油

今週最大の変化。

ホルムズ海峡再開期待から大幅下落。

市場はかなり楽観的になっていますが、地政学リスクが完全に消えたわけではありません。

原油安とリスクオンの影響でやや軟調。

安全資産需要は低下しています。

今後の見通し

① 本当に停戦は続くのか

市場は既に

「解決済み」

として扱い始めています。

しかし、

最終合意ではありません。

もし交渉が再び停滞すれば原油価格は簡単に反発するでしょう。

② 利上げシナリオ

市場が最も注目しているテーマです。

ウォルシュ議長体制のFRBはインフレに対してかなり厳しい姿勢を見せています。

今後の雇用統計やCPI次第では、

市場は利上げをさらに織り込みに行く可能性があります。

③ Russell2000の強さ

個人的には今週最大の注目点です。

小型株上昇は

景気後退懸念後退
リスクオン
市場の広がり

を意味します。

もしこの流れが続くなら、2026年後半の相場はAI一極集中ではなく、より幅広い上昇相場になるかもしれません。

④ プライベートクレジット市場

依然として重要な監視対象です。

株式市場は楽観的ですが、

企業の借換コストは着実に上昇しています。

まだ問題化していませんが、

2027年に向けて徐々に重要度が増すテーマでしょう。

まとめ

今週の市場は、

「地政学リスク後退」

よりも

「景気はまだ強い」

ことを評価した週だったように見えます。

Russell2000の史上最高値更新、景気敏感株の上昇、半導体の強さはその象徴です。

ただし、市場はやや楽観に傾き始めています。

イラン問題もインフレ問題も完全に終わったわけではありません。

その意味では、

強気相場を楽しみつつも、過度な楽観には注意したい局面と言えるでしょう。

後記

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